知っておきたいカルテの基礎知識
カルテというのは、医師が患者の診療内容や経過などを記録した文書で、医療のクオリティや安全性を確保するために非常に重要な役割を果たします。
そこに記載される情報は、患者の氏名・年齢・性別・住所・保険者番号などの基本情報のほかに、診療の対象となった傷病の名前や主要な症状・診察や検査の結果や所見・処方や処置の内容や方法・診療の日付や時間・医師の署名や押印などです。
これらの項目は、医師法や薬事法といった関連する法令に基づいて、必要的記載事項と任意的記載事項に分けられます。
このうち必要的記載事項は、法令で定められたもので、必ず記録しなければなりません。
一方、任意的記載事項は、医師の判断で記録するものとされており、患者の状態や治療方針などが含まれます。
カルテには、紙のものと電子的なものの2種類があります。
前者は紙に手書きや印刷で記録するもので、ファイルやバインダーに保管するのが一般的です。
後者はコンピュータやインターネットで記録するもので、クラウドやサーバーに保存します。
電子カルテには、データの検索や整理が容易になり時間やスペースの節約になるほか、紛失や破損のリスクが低減される・入力がスムーズになりミスや見落としを防ぐことができる・内容が見やすくなり診療の質が向上する・データを分析したり他の医療機関や医療従事者と共有したりできるといったメリットがあるので、技術の進歩に伴って急速に普及しているのです。